他社でフルタイムでお願いしていた派遣スタッフの方の契約が満了するのを機に、その欠員の補充という形で導入しました。以前からパート型派遣という話は聞いていましたが、それまではフルタイムの派遣がメインでした。費用的な負担を軽減しつつ、うまく仕事を回していけないかと考えていたところ、週30時間未満であれば社会保険分の費用が削減できるうえ、必要な時間だけ配置できるのでコストダウンできるという提案を受け、具体的な導入へと話が進んだわけです。

結果的に見ると、全く問題ありませんでした。時間を短くするということでお願いする業務を見直し、仕事内容などを精査したということもありますが、スキルの高いスタッフの方に来ていただけたということもあり、これまで8時間かかっていたことが、何の問題もなく5時間でできたということです。実際にはフルタイムで依頼していたことを、1日5時間、月に17日程度でこなしてもらっています。制限された時間のなかで、やるべきことをやるという意識を持って仕事に取り組んでもらっているからこそ、仕事の質を落とすことなく、コストの軽減も実現できているのだと思います。

月次の売上や営業成績などのデータをまとめ、役員会でも使う重要な資料を作ってもらっています。いろんな帳票から引っ張ってきた数字を改めて加工し、必要に応じて見やすい帳票に作り直すという作業です。数字を扱う仕事なので、数字がぴったり合うのは至上命令。それを遂行するには、出てくる数値をある程度予測して作業していかないといけないのですが、その点でも実務スキルを身に付けておられる方なので、数字を扱うセンスもあり助かっています。パソコンに関するスキルも高く、新たにこういうデータを作って欲しいというオーダーがあった時なども、適切なアドバイスをいただけるので仕事がスムーズに進められます。

年間、もしくは月間で繁閑の波がハッキリしている業務ですね。例えば、月末月初が忙しい部署であれば、月末月初はフルタイムに近い勤務スタイルで来てもらい、暇になる月中は勤務時間を短くしたり、出勤日を減らすなど、繁閑に合わせたフレキシブルな人員配置の仕方が可能になると思います。

実はアパレル業界も年間で見ると繁閑の波があり、生産が集中する時期があるんです。パタンナーなど技術者の仕事にも波があるのですが、そうした技術者の仕事に関しては感性も必要とされるので、忙しい時期のみ人員を追加するといった調整がしにくいのも事実です。その辺りの問題が解決し、システム化できるのであれば、技術者の分野でもパート型派遣の活用の余地はあると思います。

やはり経費的にコストダウンできるという点と、業務の効率化が図れるということでしょう。パートタイム型派遣を導入するとなれば、時間を短縮したなかで支障なく仕事をこなしていく方法を考えざるを得ないので、現状の業務を整理し、その内容を見直してどうしたら有効的にやっていけるかを考えるきっかけになりますよね。従来通りにフルタイムでやっていくことを前提に考えていたら、効率化は考えられないと思います。

まずは社内の部署異動でのやりくりを考えるのが最優先ですが、仕事量などの無駄を見直して効率化を図った後、必要であればパートタイム型派遣の導入も検討していきたいと思っています。

人をいかに有効に使っていくかは、企業経営にとって永遠のテーマです。これからは、全ての業務をフルタイムで、また社員で、という時代ではないでしょう。先行き不安定な景気の変動に柔軟に対応していくためにも、勤務形態の多様化、効率的な人材の配置を図っていくことが重要だと思っています。